こんにちは、maru-shikakuです。
今日は超マニアックな話。
日の出・日の入りといった、地表と空の輝度差が極端に大きな時間帯の風景で、白つぶれや黒つぶれをなくすために、ハーフNDフィルターという超ニッチ商品が存在します。
露出アンダーで撮って、暗部を持ち上げればいいといえばいいのですが、ノイズが多く発生しちゃいます。わかる人にはわかっちゃいます。
そのハーフNDフィルターは、前々から撮りたかった星空と夜景の写真にも活躍できます。
普通に撮ると、
街が炸裂してます。放射光もものすごい。
かといって露出を下げると今度は星が目立たなくなります。
この明暗差を縮めるためのハーフND。
メーカーはKaniとNisiが品質が高く有名ですね。
Samyang 14mm F2.8に取り付けたのですが、超広角レンズに対応する商品は上の2社のみ扱ってます。
なぜKaniにしたかというと、
- 創業者がカメラマンだから。
角形フィルター KANIフィルターの魅力 - カメラアクセサリーの色々
上の記事を読んで決めました。品質的に今はNisiと大差ないかと思われますが。
今回はこちらのフィルターの導入についてのお話です。
先月のAmazon サイバーマンデーで手にいれて1ヶ月、ようやく記事にします。
つい昨日Circulation - Cameraさんがこんな記事を出したばかりですが、
【2019年対応】ハーフNDフィルターやホルダーの種類・選び方まとめ! - Circulation - Camera
超広角レンズ対応のはこんな感じということをお伝えできればと思います。
外観と取り付け方
左がフィルターホルダーで、右がハーフNDフィルター。
かなり巨大。フィルターの方は一冊の写真集レベルの大きさです!
今回わたしがチョイスしたのは『SOFT GND 0.9』。
ソフトタイプはND部分がグラデーションがかってて、最大で3段分の減光効果が得られます。
どんな用途であれ、まずはこれを選べば大きな失敗はありません。
シチュエーションに合わせて、境界線のくっきりしたハードタイプとリバースタイプがあります。
ソフト・ハードの使い分けの説明は、Kani公式ブログの伊達純一先生のレポートが詳しいです。
定番は「SOFT GND 0.9」。ND部分から透明部分に緩やかに濃度変化するので境目が目立ちにくく、最大濃度部分で3段分の減光効果(ND8)が得られるのが特徴だ。ただ、日の出、日の入り前後は地表近くがもっとも明るいので、明暗の境目が緩やかなSOFT GNDフィルターでは地表付近を十分に減光できず、逆に空の上の方が必要以上に暗くなってしまいやすい。地表付近の空を効果的に減光したいときは、明暗の境目がもっとクッキリしている「HARD GND」や「REVERSE GND」フィルターが適しているが、海や川など水面の反射を含むシーンには、「SOFT GND」フィルターが適している。
出典:https://www.loca.design/single-post/2018/10/30/伊達淳一先生執筆【KANI】Dual-Purpose-GND-075-filterのすべて
地平線がくっきりしてるならハードタイプとのことだけど、リバースタイプと呼ばれるものが、地表付近の太陽光部分だけをピンポイントで減光してGOODとのこと。じゃあハードタイプの存在意義は?とか、その辺りについてはよくわかりません。
話を戻しまして、
フィルターホルダーは150mm幅。所有してるSamyang 14mm F2.8 専用の取り付け具がセットになったものを購入。
写真の右下がそのレンズです。超広角を持ってる方はこのホルダーがどれだけでかいかわかってもらえるはず。
レンズ側の一体花形フードの付け根にホルダーの爪を合わせ、すぽっと上からかぶせます。超簡単。
・・・といってもよく分からないと思うので、公式の図を載っけます。
レンズとホルダーの接続が①、②のネジで固定します。
この写真の横に出っ張ってるネジが②。
⑤ホルダーに下向きでついてるネジがフィルターの回転ネジです。
縦位置・横位置の切り替えはもちろん、微妙に光源が水平じゃないときに斜めにセットして対応できます。
フィルターをセットした状態(フィルターをもう一枚重ね付けが可能)。
ホールド部の内側にフェルトがありブレーキの役割をします。
ホールド部はガチガチに締めなくてもフィルターは落っこちません。
むしろ、ちょっと力を入れればフィルターが上下に動くぐらいにした方が、ND部分を地平線や光源に合わせやすいです。
→フィルターが四角いわけ。
角形フィルターのメリットはND部分を動かせるという点の他にも、
円形フィルターは枠があり、レンズ径がレンズと同サイズであることから、周辺減光が起こりやすい。
出典:https://www.loca.design/q-a
周辺減光が起こりにくい点があります。
おおー!カッケー!!
持ち運びはホルダーにフィルターをあらかじめ取り付けておいて、最初の方で出た、フィルターホルダーのポーチに入れてます。
14mmのレンズに装着した時のケラレについて
14mmという焦点距離はめっちゃくちゃ広角なので、ここまでワイドなフィルターホルダーといえど、若干のケラレが発生すると公式で説明してます。
こればっかりはしょうがないですね。画角が対角線にして114°ですもの。
実際のところはどうなのか?白い壁を撮影してテストしてみました。
F2.8
Samyang 14mm F2.8特有の周辺減光で特に下部はケラレがわかりづらい。
けど、右上のところにうっすら出てるのが見えるでしょうか。
この程度ならLightroomのゆがみ補正や周辺減光補正で消えちゃいそうですね。
F16
超広角を最大まで絞る人はいないでしょうが一応。
しっかりケラレてます。これはLightroomの補正で消せるのか?photoshopならいけるかな?
絞りは絞るならF8ぐらいに留めた方が無難でしょう。
いずれにせよ、星空撮影では目立たないかな。
と思ったらしっかり写真に残りました。それでは作例に移ります。
作例と問題点
BEFORE
AFTER
湘南平の夜景は非常に綺麗です。今度はヤビツ峠にも行きたいですね。
おおー!光量が抑えられてる!写真上下の光のつながりも自然で、フィルターが挟んであるとは思えません。これはすごい!
若干右上の端にケラレが見えますが、小さい。
また、安い樹脂製フィルターの欠点である色味の変化は全然ない!
さすがのガラス製です。
撮影してたらちょっと問題が。
この形状・・・レンズヒーターがつけられません!!
寒さでフィルターの方も曇って大変でした。
フィルターホルダーの丸い形にくっきりと白くなってました。
外してうちわみたいに扇いで空気を送ってやると曇りが取れます。
そしたら取り付け直してすぐ撮影すればOK・・・なのか?
最大限曇りは取ったと思ったら、ガラスがレンズを反射して、緑の光のようなものが左上の端に出てました。
寒い場所には向かない?ドライヤー的なものが必要?どうなんでしょう。
今回は周辺減光補正で逆に暗くして対処。
↓
レタッチ後
2018年のベストショット - まあるい頭をしかくくするブログで一度出した写真を再現像。今度は明瞭度を下げて柔らかい雰囲気。
星空写真の編集はどんな感じがいいか模索中です。
- 2枚目
BEFORE
AFTER
今度はよりくっきりと上の両端に緑の反射が出てしまいました。
これも周辺減光させて目立たなくさせます。
レタッチ後
商品紹介とまとめ
Samyang 14mmなど焦点距離15mm前後の超広角レンズには150×170のハーフNDフィルターが必要です。
こちらはホルダー+Samyang 14mm F2.8専用取り付け具のセット。ホルダーは共通ですが、取り付け具はレンズ専用のものを購入する必要があります。
各社の超広角レンズに対応しているものがあるので、お手持ちのレンズ名で検索してください。
それと、ステップダウンリングをつければ、広角〜望遠レンズにも対応できます。
※UNIVERSAL CROSS TRADINGが販売元です。買うときに確認してください。ネットでは公式HPかAmazonのみで取り扱いがあります。
目的は果たしたから満足。でも寒さによる曇り問題はどうすべきか?
今時期だけの問題とはいえ、冬に日の出撮影してる人とか絶対いるはず。
どうしてるのか気になります。
あと、夜景はOKだけど星をもう少し目立たせる&たくさん写ってほしい。
そこはND関係なく別の方法が必要でしょうから、策を考えます。
一つ一つ課題を解決するのは楽しい!
それでは!
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