こんにちは、まるしかです。
コロナで撮影の機会が激減してるので写真の話とかをこれからしていきます。
今日は天の川の話。
おととし、始めて天の川を撮影したときに、
「じゃあいつ、どこで、方角はどこを見ればいいの?」
これが全くわからず、だいぶ下調べに苦労しました。
まとまった情報がなくて、結局撮影を繰り返すうちにようやくわかってきましたね・・・。
なんというか、星を撮る人はすでに天の川を撮り慣れてる感じで、初めてのハードルが高いんですよ。でも、コツがわかれば楽です。
やはり星空を見たり撮るとき、天の川を見つけるとテンションが上がります!
今回は素早く天の川を見つける方法について書きます。
天の川が見える方角
ざっくりいうと、南の空に天の川が見えます。
とりあえずこれだけ覚えておけばOK。
でも南だけじゃなく、南〜東〜北の広範囲にかけて見えます。
天の川って、実はアーチ状になっているのです。
ちょっと左のほうが切れちゃってますけど、本当は地平線までアーチがつながっています。
上の写真の右端が、南南東。左端が、北東に当たります。
さっき南の空に見えるといったのは、天の川の一番華やかな部分のことを指していたのです。
ちなみに天の川の形や模様は雲のようにランダムじゃなく、決まっていますから、覚えておいてください。
天文学の進展とともに、「天の川」ないし「Milky Way」の実体は膨大な数の恒星の集団であると次第に理解されるようになった。
(中略)
なお、天の川のあちこちに中州のように暗い部分があるのは、星がないのではなく、暗黒星雲があって、その向こうの星を隠しているためである。
wikipediaより
天の川は密集した星なんですね。
もちろん、星と同じように天の川も動きます。
時間とともに、
- 初めは南東に横たわるように現れ、
- 45°の見頃の角度は南南東が華やか。
- だんだん西の方にずれていきながら、南南西で垂直になる。
- その後、もっと西の方に移動する。
このような感じです。
天の川が東に横たわった状態から起き上がって、垂直になるまでが見頃ですね。
9月の天の川。19時の早い段階でほぼ垂直の状態。
それ以降、西に倒れるような形になると、華やかな部分が地平線に沈んでしまい、
一気に地味になります。
天の川の簡単な探し方。鳥の足を探せ
天の川はもし肉眼で見れたとしても、非常に淡いもやみたいなものです。
こちらの写真はほぼ肉眼に近い状態の写真です。
ぼんやりとしたガスが縦に走っています。横長の白いのは雲ですね。
色は白っぽいです。
写真でよく見る天の川の色は、カメラやレンズの力があってこそなのです。
昨年撮ったこの写真の日は、写真の上を天の川が突き抜け、アーチが頭上を駆け抜け、まさに天の川といった光景に感動しました☺️
とまあ、はっきり見えれば苦労はないのですが、大抵はよーく目を凝らさないと見つけられない。
もしくは光害に負けちゃったりすると、写真に撮らないと出てこない時だってよくあります。
「南側といっても、具体的にどこを見ればいいの?」
さそり座を探してください。
さそり座は星座に珍しく?そのまんまさそりの形をしています。
さそりの手の部分は鳥の足みたいな形です。
この鳥の足の、少し左(東)側に天の川があります!
鳥の足に見える部分は、星の中でも非常に明るく見つけやすいです。
オレンジ色の星・アンタレスが目立つからすぐわかると思います。
わたしはこの方法ですぐ天の川を見つけられてます。
2019年はほぼ天の川の位置に木星がありました。
木星はかなり明るい星だったので、よりわかりやすかったです。
2020年現在は、木星はほぼ土星の位置に近づきました。
今年は、さそり座と木星の間に天の川が見えると思えばOK。
天の川はいつ見れる?
天の川が見られる時間帯表
天の川がいつ見られるのか?手っ取り早く表にしてみました。
※各月の1日〜2日で天体アプリStar Walk2を使用して推測。
※なので例えば15日前後の場合はその月と後の月の間くらいと見てください。
※見られるか見られないかは、天の川の角度で決めています。
夏の天の川は出始めの20°〜垂直ちょっと過ぎ100°、冬の天の川は80~110°の間くらいで決めています。
夏の天の川 (さそり座付近) |
冬の天の川 (オリオン座付近) |
|
---|---|---|
1月 | NG | 20~1時ごろ |
2月 | 5時前後 | 19~23時ごろ |
3月 | 3~5時ごろ | 19~21時ごろ |
4月 | 1~4時ごろ | 20時前後 |
5月 | 23~4時ごろ | NG |
6月 | 21~3時ごろ | NG |
7月 | 20~1時ごろ | NG |
8月 | 20~23時ごろ | NG |
9月 | 19~21時ごろ | 4時前後 |
10月 | 19時前後 | 3~4時ごろ |
11月 | 18時前後 | 1~4時ごろ |
12月 | NG | 23~3時ごろ |
冬の天の川とは?冬の天の川の探し方
さっきの表に夏の天の川と冬の天の川の2種類がありましたよね。
それを今から説明します。
天の川っていうと、夏の風物詩のイメージが強いと思います。
しかし、夏は夜の見やすい時間帯(20時から24時くらい)に見えるだけで、天の川は一年中見られるんです!
さすがに冬は厳しそう・・・と思いきや、冬の天の川があります。
夏の天の川に比べてかなり淡い光。
肉眼ではかなり困難、写真でならなんとか。マイナーな存在ではあります。
冬の南天に目立つオリオン座。
その中でオレンジに光るベテルギウスという星を含めて冬の大三角が作られます。
その三角形のゴールにシュートして突き刺さるイメージをわたしは持ってます。
シリウスープロキオン間から、プロキオンーベテルギウス間に向かってです。
これ、冬の天の川の探し方ですね。
天の川が見られる場所の選び方
具体的な撮影スポットはいくつも紹介されていますから、お近くのスポットを検索すれば、山ほど情報はあります。
↑この本は観測場所としても全国の代表的なところが載っていてとっても参考になります。
作例は見ているだけで楽しいです♪
この記事では天の川が見られる場所の選び方を書きます。
「満天の星空が見られるような真っ暗な場所なんでしょ」
と思われがちですが、そこまで特別なスポットじゃなくても、天の川が見えるところはあります。撮るだけなら肉眼よりハードルが下がります。
前提として
月明かりが少ない or ない日時を選ぶ
方法としては、あとで紹介するアプリなどを使って、観測したい日時に月が出ていないかをチェックします。
基本的に月明かりは星や天の川の光をかき消すほど明るいです。
糸状の三日月だったり、月の出直後・月の入直前であれば、影響はほぼありませんが、ないに越したことはありません。
天の川が垂直に近い形の時間帯を狙う
これは時間帯の話。
天の川は垂直になればなるほど、アーチは頭上を通過するような形となります。
星は地表から遠いほど、光害の影響が減って見えやすくなります。
だから、垂直に近い天の川の方が見えやすくなります。
天の川が見られる場所その1:標高が高い
やはり標高が高くなるほど、空気が澄んで星が綺麗に見えます。
また、市街地の光があっても、見下ろす形になるので、平野より光害の影響は少なくなります。それでも近くに市街地がないほうがベター。
天の川が見られる場所その2:南の空が暗い。盆地や南が海もいい
これも重要です。
天の川は南の空に現れますから、南が暗いほうがいいです。
標高が高いところ以外では、
- 盆地
光害をシャットアウトしてくれます。
福島県なんかはそのおかげで星空撮影地の宝庫と言われています。
埼玉県は南が東京都で天の川観測に不利な土地ですが、
秩父は山に囲まれていますので、見えます。
- 南がすぐ海
例えば関東だと、
千葉県の南房総、神奈川県の三浦、静岡県の下田・南伊豆といった、暗くて南がすぐ海という場所は理想的なスポット。
(静岡は関東じゃないけど、伊豆は近いから勘弁😅)
これも静岡ですが、初島や大島など南に海しかない離島もかなり魅力的です。
東京湾は南は海でもその先が明るいから厳しいと思います。東京都は山梨に近いところまで離れないと難しいですね。
わたしが住んでいる神奈川県では、もちろん丹沢山周辺はいいと思いますし、海側では、湘南の西側、西湘のあたりがそこそこ条件いいですね。
天の川を見るときに便利なアプリ
ここからは天の川を見に行く事前準備に役立つアプリを紹介します。
いずれも無料版はありますが、星好きなら課金してでも使いたいもの。
星の撮影にだいぶ役に立っている3つのアプリです。
Weather News
天気予報サイト。有名なので知ってる方も多いはず。
星関係なく使いやすくて、わたしはこれで毎日天気を確認します。
無料版で十分かな。有料会員(月額360円)だと5分毎の天気がわかったり、ゲリラ豪雨の予測とかができます。
メニュー→星空 ch.にて、
- 今の星の見え具合
- 流星群情報
- 今月の南の空・北の空に見える星座
- 月カレンダー/月の出&月の入時刻
があります。これも全部無料なのがすごい。
月の出&月の入時刻は星を見るのに重要なので事前にチェックしておきたいところ。
日の出&日の入時刻もわかり、これもありがたいです。
- アンドロイド版
- iOS版
Star Walk 2
過去・現在・未来、分単位で星の位置が視覚的にわかります。
もちろん天の川も。月や人工衛星まで!
もし星を観測したり撮影するのが好きならマストです。
現在設定では、コンパス機能でスマホを空にかざしながら探すだけで、天の川が見つけられます。
だから正直、この記事で出てくる悩みはほとんどStar Walk 2で解決しちゃいます。笑
一応無料版がありますが、広告が頻繁に表示されてあまり使い物になりません。
無料版をDLした後、
設定→追加の内容→広告非表示パックをタップ&購入すればOK。
今360円くらいです。
- アンドロイド版
- iOS版
他の追加有料機能は星を撮るだけなら必要ありませんが、お好みでどうぞ。
SCW
スーパーコンピュータが予測する天気予報サイト。
ごめんなさい、これだけアプリはなくてサイトのみです。
天気予報では晴れでも、雲が多いと星や天の川は見づらくなってしまいます。
かなり予測精度が高く、雲の量や動きが地図上でわかるのが便利。
星景カメラマン御用達のアプリです。
無料でもそこらへんの天気アプリより精度が高く使えます。
体感だと7~8割の的中率かな。無料でも結構十分です。
有料会員(280円/月)だと、さらに精度がアップ。
体感では9割以上的中します。絶対当たって欲しいので買いました。
最後に
満点の星空に加えて天の川が見られた日は、一生の思い出になります!
ぜひ、この記事を参考に下調べをして臨んでください。
それでは!