こんにちは、maru-shikakuです。
オディロン・ルドンの大規模な展示会が現在(〜5/20(日))、東京丸の内の三菱一号館美術館で開催されています。
この規模のルドン展は、2012年、同じく三菱一号館美術館が購入した、ルドンのパステル画『グラン・ブーケ』の初お披露目展以来とのこと。
そして、
- 『グラン・ブーケ』と共に当時飾られていた15点の装飾画がやってくる。
- 合わせて全16点の装飾画が一度に観られるのは今回初!!
という、みどころ十分な展示です。
当日の写真は全てiPhoneで撮影
私にとってルドンは、「作風は受け付けないけど、めちゃくちゃ好きな画家」という変な位置づけです。
好きな画家ベスト5には入りますね。
アイキャッチ写真に載せたように当然図録も買いました!
一言感想:華やかなルドン!
印象派が好きなら絶対に気に入るはず!
そんな絵が多めです。
ルドンが描いた花や植物に焦点を当ててるらしいですね。
本来のイメージである黒くて変な絵も多いですが。
それでも正直、女子中心にルドン人気が相当上がるのでは?と思ってます。
それくらいオススメの展示。
それに三菱一号館美術館の館内はレトロな洋館といった感じで、これも女子ウケしそう。
概要
会期:2018年2月8日(木)~5月20日(日)
開催時間:10:00~18:00
(祝日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は21:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(但し、祝日の場合、5/14とトークフリーデーの2/26、3/26は開館)
チケット料金:
一般 高校・大学 小・中学生 当日券 1,700円 1,000円 500円
「ルドンー秘密の花園」展の入場済チケット提示で、下記の展覧会で相互100円割引となります。
※MSS会員の方は、チケット窓口にてお申し出ください。割引が適用となるチケットをお渡し致します。【注意事項】
・他の割引との併用はできません。
・1枚につき1名まで。1回限り有効。
なんと、ブリューゲル展とチケット代相互割引だったんですか。
知らなかった。
↓ブリューゲル展の感想
『ブリューゲル展』東京都美術館に行ってきての感想 - まあるい頭をしかくくするブログ
場所: 東京都千代田区丸の内2-6-2
東京駅丸の内南口から出ると近いですね。
歩いて5分くらいです。
美術館の内側にカフェスペースと中庭があります。
バラはこれからかな。
そして、写真左端を見るとわかる通り、夜はイルミネーション。
美術館内にバーがあるので、開催時間が延長される金曜の夜に展示を楽しむのもいいですね。
感想
修行時代の作品
絵のどこかが必ずぼんやり
初期は白黒の絵が多いですが、すでにルドンと分かる、影の濃い作品が並びます。
色が入ったものでは、ルドンの育った土地ペイルルバードを描いた風景画がいくつか。
この風景画を観てて気付いたのですが、
絵のどこかに必ずぼんやりとして曖昧な部分がある。
だいたい四隅のどこかですね。部分的に霧がかったような。
それだけで少し幻想的になるんですよね。
コローの教え
上のような美しい木を描くコローから指導を受けたことがあるらしいです。
「確かなものに不確かなものを置いてごらん」
写真で言うところの、ボケの効果なのかな。
それとも、描く対象の選び方なのかな。と私は解釈してます。
この言葉から絵にぼんやり部分を作り始めたのでしょうか。
ドムシー男爵の食堂装飾
このエリアの手前に黒の時代の絵が結構飾られているんですが、最初書いたように、下のような作風はあんまり好きじゃないです。
※この絵は本展示会にありません。
『眼=気球』。タイトルそのまま。眼の向きで気球の上昇感を表現しているのだろうが、連想ゲームのような作風は古臭い感じしかしない。
あれっ、日本画っぽいぞ
ドムシー伯爵という方から食堂の装飾画の注文を受け、ルドンは16点の大規模な作品群を作りました。
伯爵の食堂をおおよそ再現した大きな部屋がありまして。
(全16点中、『グラン・ブーケ』を除く15点を1室に展示)
私は初めて観る作品ばかりです。いい絵ばかりだなー!
元はオルセー美術館にあるそう。
この部屋に入ってまず感じたのが「あれっ、日本画っぽいぞ」
全体的に淡い暖色で控えめな作風。
食堂の装飾画というせいもあるのか空間が多く、日本のふすま絵みたいな印象です。
彼も印象派の画家たちと同じく、日本の絵を意識していたのでしょうか。
また、ルドンが日本に輸入し始めた頃、日本画家から人気が高かったという話からもルドンの明るい絵と日本は親和しやすいんです。
だから、私たちも馴染みやすいんじゃないかなと。
『グラン・ブーケ』はどこ?
食堂の装飾画のエリアには当時下のような配置になっていました。
右上の方にある青い花瓶のパステル画『グラン・ブーケ』だけない。
これはプリント
でも大丈夫。
展示会の一番最後に真っ暗な部屋があって、バックライトで照らされながら『グラン・ブーケ』1枚のみ飾られています。
この演出は良い!パステル画の輝きが生かされてる。
パステル画って淡いから、たまに照明に負けちゃうことがあって、もったいないなーと思う展示が多々あったのですが、この演出ならいいですね。
それはいいとして。
ここで、食堂の装飾画と同じ場所にあったはずの『グラン・ブーケ』 が、なぜ別に飾られているのか?と疑問に思いました。
その答えは図録にあります。
高橋明也 館長へのインタビュー文
(『グラン・ブーケ』を)実際にご覧になったとき、その印象は変わりましたか。
高橋 想像以上の素晴らしさでした。ドムシー城の食堂はひじょうに暗く、パステルの繊細で複雑な輝きが薄明りのなかに、幻かのように浮かび上がっていました。それはそれは幻想的な光景でした。
図録 p.10
なるほど、館長さんが『グラン・ブーケ』を初めて目にした印象を大事にしていたからなんですね。成功してますよ。
このインタビュー文には他にも、『グラン・ブーケ』購入の苦労話とか面白かったんで、展示に行かれましたら、図録を買ってみることをオススメします。
図録の表紙裏はこんな感じでとってもおしゃれです。
花の絵は文句なしにいい
最後のエリアに飾られている花の絵。
ちょっと転載できる絵がないのですが、ルドンの花の絵は文句なしに色使いが好みです。図録を嫁さんに見せたら、花の絵が好きと言っていたんで、大抵の方は好みなんじゃないかなと思います。
だからルドンはいい。
花じゃなければ。有名な蝶の絵が飾られてます。
最後に
いかがでしたか?
淡い暖かい色を中心に、ブルーのアクセントがきれいなルドンの明るい絵がたくさん観れる本展はオススメですよ。
きっと気に入る絵があるはず。
東京駅からすぐそこなので、東京観光がてらにアートを楽しんでください。