まるしか Photo & Art Blog

一眼撮影と美術展感想がメインテーマの、ちょっと突っ込んでみたブログです。

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『ブリューゲル展』東京都美術館に行ってきての感想

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こんにちは、maru-shikakuです。

 

ブリューゲルといえば、〇〇展といった特別展の主役を引き立たせる脇役のイメージでした。

 

今回初めて知ったのですが、150年、4代にも及ぶ絵画一族だったんですね!有名なのは花のブリューゲルとも呼ばれた、一族の2代目ヤン・ブリューゲル

 

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今回は全てiPhoneで撮影 

確かに、こんな絵どっかで見たことあります。中世の絵によくある繊細さなんだけど、どこか新しい雰囲気もある。この感じはどうしてだろ?

 

現在東京都美術館で行われるブリューゲル展は、その一族に焦点を当てた試みで、ほとんどの作品は日本初公開らしいですよ。

 

さっきの不思議な感じも気になるし、行ってみよう。

ということで感想をレポートします。

 

開催概要

会期:2018年1月23日(火)~4月1日(日)
休室日:月曜日、2月13日(火) ※ただし、2月12日(月)は開室
開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
夜間開室:金曜日は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)
観覧料:一般 1,600円 / 大学生・専門学校生1,300円 / 高校生 800円 / 65歳以上 1,000円
出典:http://www.tobikan.jp/exhibition/2017_bruegel.html

  

感想

受け継がれる作風

親父から学ぶ

作者表記がないと、たまにこれ誰が描いたんだ?って分からなくなるほど、作風は非常に似てます。解説文を読んでみると、

  • 代々親父のコピーを描いて絵を学ぶ。

なるほど。だから似てるんですね。

 

これはいいですが、

 

ピーテルJr.さんは、あまり才能がなかったんですかね。親父のコピーばかり売って、でも認められなくて、生活はカツカツだったみたいです。家を何軒も持ってた花のブリューゲル、次男のヤンさんは援助しなかったんだろうか?

 

風景画は構図が代々一緒

見に行くなら風景画を注目してください。

  • 想像上の絶景。タイトルにどこどこと書いてない。
  • 必ず水平線と遠くの山が絵に入ってる。両脇に木々。

ほぼ100%、上の2点が当てはまります。悪く言えばワンパターン。

昔の人も絶景が好きだったんですね。しかも遠くまで見渡せるような広い空間が好まれたのでしょう。

 

しかし4代に渡り、ずっとこういう絵を描くなんて。

売れる絵を重視していたんでしょう。

現代でいうとちょっと古いけどラッセンみたいなワンパターン。

 

まあ私はラッセンより普通にゴッホが好きです。←これが言いたいだけ。

 

花の絵は代々ビミョーに違う

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こちらはど忘れしちゃいましたが、ヤン・ブリューゲルか息子の2世の作品

 

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こちらはヤンさんの孫、ヤン・ピーテル・ブリューゲルの花の絵。

比べるとビミョーに違いますよね。

 

ヤンさんとその息子の方は

  • チューリップが必ず絵にある
  • 花同士は重なってない
  • 花に影がほとんどない

 

孫の方は

  • チューリップがない。
  • 花に動きがある
  • 影になったり重なってる花もある。

花自体、本展の目玉でそれ自体楽しく観られますが、こういうちょっと違うところが見つかって、より興味深く鑑賞できました。

 

ちなみになんで写真があるかというと、

2/18(日)まで花の絵・農民の絵フロアは写真撮影可能です。行くなら今!!

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花の絵の不思議

前置きで

中世の絵によくある繊細さなんだけど、どこか新しい雰囲気もある。この感じはどうしてだろ?

と書きました。これに対する個人的な考えをいいます。

 

ブリューゲル以前や同時代の画家たちは、花の絵に白を多用しなかった

 

いわゆる不透明な色というやつです。だいたいその他の画家には影があって、その場の明るさに応じて暗くなっているというのが古典的な書き方。

 

それがヤンさんと下2代の絵は、部屋の暗さに対して花が極端に明るいですよね。発光してんのかってくらい。

しかし明るくすることで花をキレイに見せてるんじゃないかなと。

 

しかも重なりを避けて平面的な書き方をしている点は、次代の印象派やそれ以降につながる描き方なんじゃないかなと。

 

それが新しさを感じたところです。

 

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by wikipedia

ゴッホのひまわりにもつながっているような

 

その他:スクリーンで絵が動く!

東京都美術館は演出に凝ってます。

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貧困といったネガティブなイメージで描かれやすかった農民を、ブリューゲルたちはお祭り騒ぎをテーマにポジティブに描き出すという、農民の絵エリア。

 

こちらのエリアでは巨大なスクリーンが何枚も置いてあって、農民たちが実際に動き出すという演出。

 

うん、動いた方が楽しそうな感じがしてGOODですね!

 

最後に

いかがでしたか?

脇役のイメージのブリューゲル一族たちの素顔が垣間見える本展。

2/18(日)までなら写真を撮って、SNSで友達に知らせるということもできます。海外は撮影OKの美術館がほとんどですし、早く日本も撮影OKがスタンダードにならないかな。

 

見応えは十分だと思います。ぜひ上野の東京都美術館へ。

 

【追記】ルドン展も魅力的。ブリューゲル展チケット半券提示で100円引きなので、セットで観るとお得です。

ルドン展の感想@三菱一号館美術館【華やかなルドン!】 - まあるい頭をしかくくするブログ