【追記】兵庫県立美術館での展示の概要を追加しました。
こんにちは、maru-shikakuです。
スペインの画家ベラスケスの作品が中心のプラド美術館展に行ってきました。さすがに、あの有名な大作『ラス・メニーナス』は来ませんが、7点のベラスケス作品が観られるのはなかなかないでしょう。
下の絵の人です。
(参考)ディエゴ・ベラスケス『ラス・メニーナス』プラド美術館蔵
ベラスケスといったらこの絵。観たことある人多いはず。
さすがに高さ3mを超す大作を拝むには、現地まで行かないといけないようです。
みどころ(公式HPのパクリになっちゃいましたが)
- 7年ぶりのプラド美術館展。
- ベラスケス作品が7点の展示。7年ぶりだから?過去最大の出展数。
- スペインのみならずオランダ、イタリア黄金世代の絵画が揃う
ベラスケスは作品点数が少なく、滅多に観られません。
西洋絵画好きなら行くべし!!
概要
会期:2018年6月13日(水) –10月14日(日)
会場:兵庫県立美術館
休館日:月曜日 (ただし祝休日の場合は開館、翌火曜日休館)
開館時間:10:00 – 18:00(特別展展示中の金曜日、土曜日は20時まで)
※入場は閉館の30分前まで。
料金:
当日 前売・団体 一般 1,600円 1,400円 大学生 1,200円 1,000円 70歳以上 800円 600円 高校生以下無料
※障がいのある方(70歳以上を除く)は各当日料金の半額、その介護の方1名は無料。
※大学生、70歳以上の当日券の購入及び障がい者割引の適応には証明が必要。割引を受けられる方は、会期中に美術館窓口で観覧券をお買い求めください。
※県美プレミアム展は別途観覧料が必要(同展と合わせて観覧される場合は割引あり)。
出典:https://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/t_1806/index.html#kaiki
↓東京会場はすでに終了しました。
会期:2018年2月24日(土) – 5月27日(日)
会場:国立西洋美術館
休館日:月曜日 ※3月26日(月)、4月30日(月)は開館
開館時間:午前9時30分 – 午後5時30分(金曜日、土曜日は午後8時まで)
※入館は閉館の30分前まで。
観覧料金:
当日 前売・団体 一般 1,600円 1,400円 大学生 1,200円 1,000円 高校生 800円 600円
出典:https://artexhibition.jp/prado2018/
混み具合
展示の2日目14:00頃に行きました。まだ始まったばかりだからか、国立西洋美術館にしてはそこまで混んでなく、そこそこゆったり観れます。
大きい絵が多いので、空間が広めなのも理由かもしれません。少なくとも前回の北斎とジャポニスム展ほどごちゃごちゃしてないです。ベラスケスの知名度のせいでもあるかな。
いずれにせよ、会期の終わりに近づくにつれて混んでくるでしょう。暖かくなるのも混む理由なので、行くなら今のうちではないでしょうか。
感想
おっちゃんでも肌は赤ちゃん、がベラスケス
ディエゴ・ベラスケス『マルス』プラド美術館蔵
ネットに載せられる絵が少なく、ちょっと上のものでは分かりにくいですが、ベラスケスは肌の赤みを表すのが非常にうまいです。
桃色が得意なんですよ。
それは上の絵のローブも同様。
一番よく分かるのは本展入って最初のベラスケス作品のおっちゃん。
あとで調べたら彫刻家モンタニェースという方みたいです。
肌が赤ちゃんみたいにツヤツヤですので最初の絵はじっくり観てくださいね。
王族の肌の白さの表現もうまい
また、ベラスケスは王族を多く描いた人ですが、王族の肌は真っ白です。その白さの表現もうまい。さっきの彫刻家といい、日に当たってなさそうな人を描くのが得意なんですね。
ディエゴ・ベラスケス『王太子バルタサール・カルロス騎馬像』プラド美術館蔵
ここでも桃色がワンポイントで綺麗です。
この絵、相当でかいです。広い部屋にベンチがあるんで、そこへ腰掛けてじっくり観るのがいいでしょう。
ルーベンスとの関係
ペーテル・パウル・ルーベンス『聖アンナのいる聖家族』プラド美術館蔵
ベラスケスの桃色、白が得意という特徴に似た画家がいます。
それがルーベンス。オランダのフランドル地方(現在はベルギー)で活躍した有名な画家です。フランドルは英語でいうとフランダース。ネロとパトラッシュが生涯の最後に見た絵の作者がルーベンスです。それくらい当時の画家の中でも最高峰の人です。
ルーベンスも白と、桃色というよりは赤色が得意。
上の絵で分かりやすいのが、子供のぽよぽよ感というか肉感。膝のあたりとかすごいです。
そしてほっぺたを描かせたら誰も敵わない。
ペーテル・パウル・ルーベンス『眠る2人の子供』国立西洋美術館蔵
iPhoneで撮影
この絵は本展が開催されている国立西洋美術館の常設展で見られます。続けてぜひ行ってください。すんごい好きな絵なので、国立西洋美術館に行ったら毎回観てきます。
※国立西洋美術館の常設は日本最高レベル。めちゃくちゃすごい絵ばかりで下手な特別展より充実してます。今度記事にしますね。
脱線失礼。
ルーベンスはスペインに来てベラスケスと会ったことがあるみたいですね。
指導があったのかは分かりませんが、ベラスケスはルーベンスにかなりの影響を受けたことは間違いありません。なんとなく作風が似てるんで。
印象派へ
ブリューゲル展の感想でもおんなじように書いちゃって、もうこう書くしかないのですが、
『ブリューゲル展』東京都美術館に行ってきての感想 - まあるい頭をしかくくするブログ
ベラスケスも印象派への流れを汲んでます。白を白のまま使うということ自体がもう古典絵画とは違うんですよね。
また、緻密な描写の絵も多いんですが、手を抜いている?部分も結構あります。よく言えばタッチを残して絵画っぽくしてる。
例えば、
再び登場のこの絵。馬の後ろ足が結構適当に描かれてます。現物見たらはっきり分かります。えっ、ここだけ下書き?みたいな。
もちろん狙いはあります。馬が飛び上がる瞬間ですので、きっと躍動感を表現しようとしたのでしょう。この辺りも古典絵画とは違う特徴が表れてますね。
ベラスケスだけじゃない
ここまでベラスケスの絵ばかり語ってきましたが、最初に書いた通り7点のみで他はスペインの画家やベラスケスにゆかりの他国の画家の絵が展示されてます。
印象に残ったのが、展示順路の最後の方、フアン・デ・エスピノーサ『ブドウのある八角形の静物』。
果物の絵でブドウがど真ん中に描かれてるのですが、そのブドウがみずみずしくて、めちゃくちゃ美味しそうです。艶がすごい。
他は風景画が印象的でしたね。雲の立体感がすごい絵(タイトルは忘れちゃいました…)があってそれがすごかった。
最後に
大きい絵が多いので、展示数が少なく、私は1時間ちょっとで観て回りました。なので、次は常設展に行くことをオススメします。
何度も言います。ほんと、国立西洋美術館の常設はすごい。西洋のたいていの画家の絵は揃ってます。たまに新規購入した絵が飾ってあるので、いつ行っても飽きない。
ぜひ、本展と常設展はセットで!
同時開催中の展示会の感想も読んでみてください!