こんにちは、maru-shikakuです。
軽くて寄れて写りがいい。
レンズ沼の住人たちは何度この呪文を唱えたのでしょうか。
カルクテヨレテウツリガイイ・・・カルクテヨレテウツリガイイ・・・
日本のどこかで、ニンニクマシマシヤサイアブラカラメぐらいの頻度で唱えられているはず。
標準レンズに求める三大要素ですよね!
要は写りだけでなく利便性も捨てがたいということ。
そんなレンズを求めると、ある商品が浮かび上がってきます。
それがBatis 2/40 CF。
Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAからのステップアップにちょうどいいレンズ。
もうこれ一本でお出かけ・旅行は乗り切れます!
【追記】この間ディズニーに行ってきましたが、パレードを除いてその他はBatis40一本で全然イケました。
【追記】全然FE55を使わなくなりました。F1.8のボケを重視するなら、Batis40+85〜100mmあたりの中望遠レンズの組み合わせが良さそう。
【追記】焦点距離のカバーを重視するなら、望遠ズームとの併用がおすすめです。上でBatis40一本でいいと書きましたが、お出かけはともかく、旅行にはBatis40とFE70-200Gの2本体制がわたしのベスト。
FE 70-200mm F4 G OSSをレビュー&作例【ソニー小三元望遠ズームレンズ】 - まあるい頭をしかくくするブログ
春の陽気に甘んじて購入したのでレビューします!
話題のファームウェアアップデートをした後の話もあります。
目次をご覧ください。
外観
なかなかごん太レンズなのが玉に瑕ですが、その代わり周辺の画質は良好です。
全長はそんなに長くなく、フードを逆さ漬けにすれば、バッグへの収まりはいいです。
何より361gという軽さが利点。
持った時、ふわっ、て感じますよ。ふわっと。
距離表示が有機ELによるデジタル表示となります。ここすごいかっこいいですよね。
ピント面の厚みが前後でどれだけあるかもわかっちゃいます。
0.6mでF5.0だと厚みは2cm。もっとあるような気がするけど、目安です。
Batisという名前は通称で、レンズ構成的には一眼レフ用広角レンズと同じ、Distagonタイプとなります。
フィルター径はφ67mm。
防塵防滴のマウント周りシーリングゴムが付いてます。
何より青いのがかっこいい!
レンズ側面にフォーカスリミッタースイッチがあります。
- FULL
- ∞-0.4m
- 0.5-0.24m
あまり必要ないというレビューが多々あり。
オートフォーカスが弱いα7Ⅱを使っているわたしからしたら必要な機能ですが、真ん中は使ってません。
基本FULLで、テーブルフォトに0.5-0.24mを使うぐらいです。
作例
【2019/11/9 追記】作例を追加します。
カメラはα7Ⅲに切り替わってます。
参考記事:α7IIIに変えて良かったポイント。α7Ⅱと比較してみました - まあるい頭をしかくくするブログ
最短でここまで寄れます。F2.8のボケです。
レタッチで明暗別色補正を行なっています。花びらの柔らかさが伝わってくるでしょうか。
横位置4枚の写真を縦にパノラマ合成しています。
赤いゴーストが左上に小さくありますが、目立たず。逆光性能は優秀です。
↑↑追記ここまで↑↑
桜が開花しそうでしなかった頃、横浜みなとみらいへ旅行に行ってきましたので、その作例を載せます!
Batis 2/40 CF一本で全然平気でした。ほぼ絞り開放で撮ってますが問題ありません。
絞り値を気にしなくてもいいのも、旅行レンズに最適たる所以です。
周辺減光はあるので、気になるならF2.8まで絞ればOK。
解像度は良すぎて、ローパスフィルターありのα7Ⅱでもたまーにモアレ(干渉縞)が出ちゃうくらいです。
描写の癖はソニーから出てるツァイスレンズとLoxiaシリーズの間で、自然な方です。フツーな時といい!と思う時と混在します。
クリエイティブスタイルはビビッドを選択。
色ノリのいいこのレンズは、彩度高めにするとその特長が遺憾無く発揮されます。
写真は全てRAWで撮影。Lightroomで多少レタッチしてるものもあります。
ツァイスのブルーは濃い。
絞り開放では周辺減光が生じます。が、均一な空だといいアクセントです。
最短撮影距離でこの通り。
絞り開放の設定ですが、おそらくF3.5くらいに絞られてます。(ファームウェアアップデート後は最大F2.8)
重厚感ある描写。
少し彩度を上げると、よりしっくりくる場合も。
床や壁の質感がダイレクトに伝わる。
温かみのあるアンバーの発色がとても好きです。
モノクロもいい。
こういうの撮ると、笑っちゃうくらいパキパキの描写に。
直線のある物体を撮ると、そこらのレンズとは一味違う描写を見せてくれます。
Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAもそんな感じでした。無機物がスッキリ写ります。
そこに黒色が乗ると・・・なんとも言えない描写に。
ツァイスレンズのこの傾向はなんなんでしょう?
腕はさておき、テーブルフォトはこれくらい寄れます。
2日目
カーテンにかかる陰影よ。
かなりグッときた写真です。
どうです?欲しくなったんじゃないですか?
VSCOを最近いじり始めました。最近復活したフィルム・コダックエクタクロームのフィルターを適用。
アンパンマンミュージアムにて。今回ドキンちゃんに一番ツァイスらしさを感じました。陰影がたまりません。
モノクロにするともっとわかります。
ちょっとLightroomで赤の明るさを落としてみたら・・・いい!
↓等倍表示すると、
等倍でこの画質ですよ。α7Ⅱですからね。Rだったらどうなるんだろう?
たまにわざと白飛びさせてから露出を戻すと出る色転びを楽しんだりします。
空の色、いいですね。
というか、白飛びからここまで戻せるってすごい。
建物はやはりスッキリ映ります。
横浜っぽさを出そうと色相を変え彩度を上げてみました。ちょっとくどいか。
ガラス越しで光が反射しちゃってますが、直線が美しく映ってるのはわかりますよね。
玉ボケの問題はどうなったか?(ファームウェアアップデート後)
作例の続きでファームウェアアップデート前の写真です。
ピン甘で申し訳ありませんが、こちらの写真の玉ボケを見るとよくわかると思います。
等倍
絞り開放でも、焦点距離1.5m以下で勝手にF値が上がる仕様でした。
そのため、絞り羽根の形状を反映して、玉ボケが9角形に。
α7Ⅲでの瞳オートフォーカスが前ピンになる問題も合わせて、ユーザーの不満が多く、この4月にツァイス社はファームウェアのアップデートを配布しました。
↑書いてある通りに行えばver.2になります。カメラが認識されなかったのですが、PCを再起動したらいけました。
実際にお家で玉ボケテストをしてみました。
全て等倍表示の写真をさらに切り出しです。
上段左から、1.0m, 0.8m, 0.6m。下段左から0.5m, 0.4m, 0.3m
0.5m以下でカクツキますね。
ツァイス社のグラフでは、
0.5mでF2.2、最短0.24mでF2.8に絞られる
ので、実際と合ってます。
これならポートレート撮影の距離であれば、顔の一部をアップするとかじゃない限り、背景の玉ボケは丸になりますね!
ただし最短では確実にカクカクします。
上の例より強い光源ではボケの形は当然目立ちます。フィギュアや花撮りをする人は背景に注意してください。
40mmという画角についての考え
わたしは単焦点レンズ好きでかつ標準〜中望遠のレンズが好きです。
50mm以降の画角ですね。
ただ、それだけだと狭いなーと思うことが多々あります。
FE 55mm F1.8 ZAが軽くて写りがいいので、よく付けっ放しで持っていくことが多いのですが、狭い。
最近買ったオールドレンズのSummicron R 50mm F2も狭い時があります。
とはいえ35mmのレンズにすると一気に広くなりすぎる。
代表的な画角で35, 50, 85とありますが、50~85以上に35~50の隔たりが大きいのでは?と常日頃考えてます。
標準ズーム買えって話なんですけどね^^;
それは置いといて。
昔APS-C機を使ってた頃、写りとボケを求めてsigma 30mm F1.4 DG HSMというレンズを使ってました。きっとお世話になってる or なってた方は多いはず。
あれは35mm換算で46mm。標準よりちょっと広い。そんなところがちょうどいい。
写りとボケに満足してましたが、画角も気に入ってました。
40mmはもっと広く、35mmに近い画角ですが、ちょうどいいんですよね。
カメラを引いたり寄ったりすることがあまりなく、その立ち位置でいい写真が撮れます。
※ちょうどいい画角ということは、裏を返せば凡作を撮りがちということ。表現を求めるなら、ある意味一番工夫がいるのかもしれません。
↑夜桜を画面いっぱいに映し出しました。
寄りに関しては、さすがにキヤノンRFマウントのRF35mm F1.8 マクロ IS STMのようなハーフマクロには及びませんが、
最大撮影倍率は約0.3倍、最短撮影距離が24cmと、かなり寄れます。
寄りたい場面って、わたしの場合はテーブルフォト一択ですし、この数字で特に不都合はありません。
それと風景だけじゃなく、ポートレートもいい。相手との距離感がいいんですよ。
中望遠レンズはポートレート向けと言われます。
よく知らないモデルさんを撮るにはちょうどいい距離感なのかもしれませんが、家族を撮るにはちょっと遠く感じるんですよね。
広角レンズ特有の歪みが嫌なら中望遠マストですが、家族だし・・・という感じです。
1人ならまだしも3,4人となると、40mmは結構重宝します。
近いレンズ性能のレンズとの比較
似てる画角で購入候補だった他のレンズと比較してみます。
40mmでは、
- Sigma 40mm F1.4 DG HSM
シグマの標準域のレンズでは最高峰の写り。
F1.4も申し分なく、唯一にして最大のネックは1.2kgという重さです。
おそらく解像度でBatisは負けてしまうでしょうが、Sigma 40は重すぎて即除外しました。
35mmでは、
- Sigma 35mm F1.4 DG HSM
9万円前後と比較的安いのは魅力的です。ちょっと考えてました。
755gと重いのがネックですね。わたし的にギリギリアウト。
あとシグマの色乗りがね。不満です。
【追記】35mmのF1.2ミラーレス専用設計版が出ましたね。
- Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
18~19万円代という値段と重量 (630g)でアウト。
- Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA
安く最強の携帯性だが、これなら標準ズーム買うかなあ。あと寄れない。
- 【追記】FE35mm F1.8
5万円台の手頃な価格のF1.8レンズが出ましたね。
レビューを見る限り優等生な写りでコスパはいいけど、個性が足りないという意見が。
もっとも求めていたのが描写性だったので今考えてもパスですね。
- Loxia 2/35
正直描写だけなら、Batisよりもさらにツァイスらしいコクのある発色のLoxiaが気になってました。
参考:Carl Zeiss(カールツァイス) Loxia 2/35 実写レビュー | フォトヨドバシ
Batisは13万円台のレンズにしては質感がちゃちくて、フードがプラスチック。
実用性、軽さを求めた代償です。
せめてフードはアルミ製で内毛があればなあ。
その点Loxiaシリーズはお値段相応の高級感があるようです。
ただしLoxiaはマニュアルフォーカスのみ。今の自分にはきつい。
家族がいるとじっくりピント合わせなんてできないし、左手に子供、右手にカメラという状況もあります。
子供の指つつき攻撃から逃れるためには、カメラを構えない状態で構図や光を読んで、さっと撮るという技術が必要です。
オートフォーカスが絶対条件でした。
でも描写は好き。いつか買うかも。
最後に
独特の描写はいつまでも惚れ惚れしますね。
なんども言いますが、
もうこれ一本でお出かけ・旅行は乗り切れます!
ちょっと標準域のレンズが増えてきたので整理しないと(^^;;
Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAを持ってる人は、予算が許すならこっちも揃えると幸せになれるかもですね。
それでは。