まあるい頭をしかくくするブログ

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カメラを中心とした、生活に”こだわり”を見つけ出すブログです。

フェルメール展の感想@上野の森美術館

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こんにちは、maru-shikakuです。

 

白いトンネルを抜けると、フェルメールルームだったーー。

 

1部屋でフェルメール8作品全てが見渡せるその部屋に入った途端、

まるで『雪国』の冒頭文のように世界が開けたような感覚が強烈に襲いかかり、

しばらく感動でたたずんでしまいました・・・!

 

まして目の前、部屋の中央に位置するのは、

わたしの1番好きなフェルメール作品『真珠の首飾りの女』。

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『真珠の首飾りの女』ベルリン国立美術館蔵

※以下、作品画像は全てwikipediaのパブリックドメインから。

 

6年越しに再開したこの作品を観て当時の感動が蘇り、思わず息を飲んでしまいました。

 

とまあ、ちょっと凝った文で始めてしまいました^^;

それくらいインパクトのある展示会ということです。

 

9/35。

 

この数字は展示会のCMやポスターで見たことがあるかもしれません。

フェルメール全作品35点のうち9作品が見られる、かつてない展示会ということです!

 

1つか2つ来るだけでも大騒ぎなのにね。

ってこの記事を読んで頂いてる方はもう知ってるか。

※『取り持ち女』という1作品だけ2019年1月9日〜の追加出展となりますので、現在は8点の展示となります。

 

わたしは前売りチケットを手に入れてこのあいだの3連休に行ってきましたー。

日時指定チケットなのに指定時間の30分前でもすごい行列です。

 

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これは行列のほんの一部。後で比較的空いてるタイミングを教えます。

 

2500円と強気な値段設定ですが、音声ガイドが無料でついてくるからそれ込みの値段ということで。

 

音声は石原さとみさんです。

だいぶ緊張してるなー、というのが伝わってきます笑。

 

先日行ったボナール展の神田沙也加さんがかなりこなれてるだけあって、余計にそう思ってしまいました。展示会の規模が規模だけに、大人の事情もあるのかな。

 

 

いろいろとスペシャルな展示なので、感想ではフェルメール全作品について触れます!

それと感想以外の要素も充実させて書いていこうと思います!

 

詳しくは下の目次で!

全体的に長い記事です。興味のあるところをクリックすればそこに飛びます。

 

 

概要

 

開館時間:9:30~20:30(入場は閉館の30分前まで)

 

※開館・閉館時間が異なる日があります。

※12月13日(木)(休館日が追加となる場合があります。)


観覧料:前売日時指定券(税込)一般 2,500円、大高生1,800円、中小学生1,000円

 

※未就学児は無料

※購入後のキャンセル・変更は一切できません。

※学生の方は入場時、学生証をご提示いただく場合がございます。

※障がい者手帳をお持ちの方とお付き添いの方1名まで割引がございます。

  • インフォメーションダイヤル 0570-008-035(オペレーター対応 10:00~18:00/会期中9:00~20:00)へお問い合わせください。
  • ご来場時、障がい者手帳をご持参ください。
  • チケットポート各店(http://www.ticketport.co.jp/shop/index.html)および、
  • チケットぴあ店舗(http://pia.jp/shoplist)でもお買い求めいただけます。

※1回のご購入は、お一人様6枚までとなります。

※チケットをお忘れの場合、また、指定日時以外にご来館いただいた場合は入場できません。

※団体割引、高齢者割引はございません。

※会期中、一部作品の展示替えがございます。「赤い帽子の娘」‪10/5(金)〜12/20(木)‬、「取り持ち女」‪1/9(水)〜2/3(日)‬

※来場者1名様につき1台、音声ガイドを無料にてご提供いたします。

※営利目的のチケット転売は、いかなる場合にも固くお断りいたします。

※入場時に手荷物検査を実施する場合があります。

※購入したチケットは、必ずお引換えのうえ、ご来場ください。会場での引換えはできません。

※フェルメール展ではチケットにかかる各種手数料は無料です。(配送手数料を除く)

出典:http://www.ueno-mori.org/exhibitions/article.cgi?id=857636

https://www.vermeer.jp/ticket/

 

アクセス:上野の森美術館は、JR上野駅公園口から横断歩道を渡って公園に入り、左をずっと進むとあります。徒歩3分くらいのところ。

 

フェルメール展用に矢印看板がいくつかできてたので迷う心配はありません。

 

チケットの取り方

日時指定入場券とは

待ち時間緩和を目的とし、事前に入場券を購入いただく方式です。1日を6つの入場時間枠に区切り、その間の入場者数を調整します。

 

  9 : 30 ~ 10 : 30
11 : 00 ~ 12 : 30
13 : 00 ~ 14 : 30
15 : 00 ~ 16 : 30
17 : 00 ~ 18 : 30
19 : 00 ~ 20 : 00

チケット情報|フェルメール展

↑後で公式サイトをチェックして見てください。

 

休日は当日券はないと思ってください。平日でもなるべく前売り券を購入することをお勧めします。

 

チケットぴあ、もしくはフジテレビダイレクトから購入できますが、今後も前売り券を買うかもと考えてチケットぴあを選びました。

 

ぴあでちょっと面倒なのが、

セブンやファミマ、ぴあの各店舗のいずれかで購入。

→cloakというサービスのサイトで各店舗受け取りを選択。

→各店舗でcloak引き換え番号を伝えてチケットをGETする。

 

購入して即発券されません。cloakで受け取りを選んで出る番号で初めて発券されるのでご注意。

 

撮影スポット

展示会場内部は撮影厳禁になってますが、美術館外壁に巨大なフェルメール作品がプリントされてます。

なのでそれをバックに記念撮影するのがいいかと。

 

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午後は木漏れ日が当たって、光りと影がいい感じに。

 

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入り口近くのこちらもいい撮影スポットです。

 

指定時間のどのタイミングで行くべきか?

これ結構重要です。

公式サイトに書いてある通り、各入場時間枠の後半がお勧めです。

 

例えば、9 : 30〜10 : 30の枠の場合。

10:00〜10:30の間なら入場前の列はありませんのでそこで入る。
11 : 00〜12 : 30の人たちが来る前に見学を終わらせる。
 
これがベストです。

 

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空いてる時間帯は入り口に全く列がない状態です。

 

ちなみに時間枠の最初はというと・・・

 

わたしは15:00〜16:30の枠でした。

14:30に来てみたら行列が始まってて慌てて列へ。

 

わたしのように都合で時間枠の最初に行かなければならない場合は、少なくても30分前、できれば40分前に並ぶことを強くお勧めします。

 

冒頭の写真は行列の一部で、 

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折り返しから見た風景。実は左端から大きく迂回して奥にも列が続いてます。

 

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一部拡大すれば、奥にズラーっと人がいることがわかるかと思います。 

 

混雑具合・所要時間の目安

入る前の様子は上でわかったかと思います。

それでも入場制限しているせいか、中は人でごった返してる、というわけではありません。フェルメールルームはとても広いので、最前列でなければ意外と快適に観れます。

 

一番前はおばちゃん達がひしめいてぜんぜん進んでくれません!

もし絵を細かく観たいのであれば、双眼鏡を持って行った方がいいでしょう。

 

目安としては、早い人なら30分以内、じっくり観ても1時間程度といったところです。

 

そうそう、来た人にはもれなく作品の解説が書いてあるポケットブックがもらえます。

 

絵の意味や背景が簡単に載ってるので、それを見ながらだとより楽しめます。

 

感想

ここからはフェルメール作品の解説です。

特に気に入った5点の絵画については詳しく書いていきます。

合わせて展示されていたオランダ画家の作品について取り上げます。

 

フェルメール各作品の解説

牛乳を注ぐ女

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『牛乳を注ぐ女』アムステルダム国立美術館蔵

 この絵は何より注ぐポーズが完璧で、延々と注いでるんじゃないかと思うほどです。

 

 一瞬が永遠に感じられる。それこそ決定的瞬間と言えるでしょう。

 

ちょっとマニアックなところでは、いっぱい見えない線があります。

水平:右腕、牛乳を受ける器の口、テーブルの水平線

垂直:メイド、牛乳、窓やテーブルの垂直線

クロス線①:メイドの視線、牛乳を受ける器、テーブルの角

クロス線②:窓、パンを入れる容器、メイドのスカート、足温器

※足温器とはその名の通り足元を温める道具です。中で炭が燃えてます。

 

また、この作品はフェルメールブルーの代名詞のようなものです。

メイドのスカートの部分、実物はすごかったですねー!

 

透き通らず、濁ってもなく、生の青い顔料そのものが張り付いてるような、純度100%の状態。

 

多分全く劣化せず、350年間ずーっとこの色だったんだろうなと想像してしまいますね。一見の価値ありです。

 

ちなみに壁に釘があったり、釘の跡があったりします。

絵の制作の際、釘を消失点としてそこから糸を通してピンと張り、遠近法の線を作ってたみたいですね。

わざわざそれを描いてる。壁のリアルさを追求した結果なんですね。

 

全体的にフェルメールは壁の描写がすごいです。次の作品も例外じゃありません。

 

真珠の首飾りの女

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『真珠の首飾りの女』ベルリン国立美術館蔵

フェルメールの魅力を教えてくれた最初の作品にして、個人的No.1でもあります。

『牛乳を注ぐ女』を今回初めて観たのですが、第1位の座は揺るがなかった。

それくらい完璧で感動的な作品です。

 

上の画像は実物と色味が違いすぎてあまり参考にならないのですが、見どころとしては、

 

  • 世界一美しい壁の色。空気感がすごい

実際はもっと暗くてグラデーションがかかってます。

その灰色がとても繊細で、張りつめた空気感があるんです。

ましてライトに照らされて絵の具が輝くと一層すごい。

この色は印刷はもちろん、4Kモニターでも再現できないでしょう。

 

  • 女性の黄色い衣装の輝き

展示は黄金時代のオランダ画家作品→フェルメール作品という順番で構成されてます。

その他の画家も似たような服装の女性を描いてたりするのですが、衣装の輝きがぜんぜん違う。

 

フェルメールイエローという単語ができてもおかしくないくらい、彼は青に限らず黄色に関しても達人だと思います。

 

理由は輝いていない色の色使い。

 

光を絞ると光がより光って見えるように、鈍い色、くすんだ色で正確にグラデーションを作ることで、ハイライト色がより輝いて見えます。

 

優れた画家はくすんだ色を乗せても汚く見せませんね。

 

  • 映画のワンシーンのようなさりげない視点と印象的な瞬間

おそらくここが日本人に好まれるところです。

画家の目を感じさせない視点が映画のようです。

それに真珠の首飾りを手にとって鏡?を見つめてる女性。

テーブルには、白粉をはたくブラシや銀色の器があります。

 

これからお出かけなのか?誰か家にやって来るのか?

わからないけど、とにかく何かが始まる予感。

そんな奥ゆかしい瞬間が日本人には合ってるんじゃないかな。

 

リュートを調弦する女、手紙を書く女

上の3つの見どころは同時に展示されてる下の2作品にも当てはまります。

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『リュートを調弦する女』メトロポリタン美術館蔵

こちらはよりダークな雰囲気。

 

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『手紙を書く女』ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵

こちらは画面左からの光(サイド光)で作られる衣装のグラデーションが優れてます。

 

製作年度は、

1664年頃:リュートを調弦する女

1664年頃:真珠の首飾りの女

1665年頃:手紙を書く女

の順で前後しているので、このシチュエーションの光と影について実験していたのかもしれませんね。

 

赤い帽子の女 

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『赤い帽子の娘』ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵

日本初公開で話題の絵・・・と言いたいところだけど、正直一番人だかりが少なかった^^;

思ってた通りちっちゃすぎるし(22.8×18cm)、女性の顔がピンボケみたいだし、背景適当すぎるし。というのが理由かな。

 

この作品は板に書いたものです。

布地のキャンバスと素材の質感が違うことで、新しい光沢の効果を実験したのでは?と言われてます。

 

だから、目元なんかどうでもいい。鼻の頭、唇、真珠の耳かざりのハイライトがどんな感じになるのかだけが知りたい。そんな狙いが考えられます。

 

それと座ってる椅子についてるライオンのオブジェが光で滲んでるような、はっきりしない描写です。

フェルメールは絵画制作でカメラ・オブスキュラという一種のピンホールカメラを活用したと言われています。

カメラのレンズを通して強い光が入り、ハレーションを起こして滲みが出たと考えられてるんですって。現地でこの部分をチェックしてみてください。

 

それと、この絵を観て個人的に感じたことですが、 

 

もしかしたら元々もっと大きい絵で、今あるのはその一部だったんじゃないか?

 

上に書いた通り、

  • 絵が小さすぎ
  • フェルメールは緻密に描く画家ではないが、描写が適当すぎる

さらに、

  • アップすぎて座ってる椅子の上先端しか見えてない

言われないと、ライオンのオブジェが椅子の一部だって気づかないですよね。

フェルメールの作品に描かれてある物は、どれもそれが何なのかわかるように描かれてるです。当たり前のことですよね。

なんで、構図がちょっと変かなと。

 

上の3つの疑問から、もしかしたら切断されて今の絵になったかも。

こういう考えって今まであったのかな?

 

その他3点の作品もなかなか。簡単な感想 

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『マルタとマリアの家のキリスト』スコットランド・ナショナル・ギャラリー蔵

フェルメール最初期の作品。

注文品らしく珍しい宗教画です。

フェルメールらしい大胆な筆使いが見られますが、まだまだ技術的に未熟。

 

大胆な筆使いについて。

基本的にフェルメールは、細かい描写をいかに効率的に描くかという省エネの画家です。

そんなに緻密に描いてないんだけど、離れて観るとものすごく細かく感じます。

 

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『手紙を書く婦人と召使い』アイルランド・ナショナル・ギャラリー蔵

この作品は後期の作品です。中期の『真珠の首飾りの女』と違って、太陽光が直に部屋に入る、硬い光が特徴。

手紙を書く夫人の腕周りの衣装はよーく観ると、カクカクしてておかしいです。

でも、離れるとその部分に直射日光が当たってるなーと一目でわかってしまいます。

 

そういうところが技ですね。

 

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『ワイングラス』ベルリン国立美術館蔵

フェルメールルーム最後の作品はこちら。

寓意があるそうだけど、わたしあんまり寓意は興味ないので、ふーんって感じで通り過ぎました。 

 

オランダ黄金時代の画家たちの作品

明らかにおまけでついてきた感じのフェルメールの時代周辺の画家たちの作品。

 

気になったのは、

オランダ関係の展示ではおなじみヤン・ステーン様。

この方は便利に使われすぎて"様"と呼びたくなる。おそらく今度のルーベンス展にも登場するでしょう。

 

そして、ヤン・ウェーニクス作『野うさぎと狩りの獲物』がフェルメール以外では一番。

死んだ野ウサギの毛がもさもさ・フサフサしててよかったな。

 

最後に・図録について

フェルメール好きには間違いなくたまらない展示会です!

来年の『取り持ち女』が公開したら、もう1度行こうか?迷います。

 

タイミングを図ればそこまでゴミゴミしてないのでスケジュールをしっかり立ててくださいね。

 

最後に図録について。

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TOP画像は図録を撮影して、ちょっとカッコよく加工したものです。

中の黒一色の冊子がいい感じ。

税込3,000円と高いんですが、フェルメール作品の解説が詳しいのと、年表に全作品の話も載ってるので見ごたえがあります。

 

面白かったのは、フェルメールが何を描かなかったか?というコラム。

視点が面白いですよね。そこから、今ある作品はどんな意図で描かれたのか?を考えるきっかけになるかと。

 

以上、フェルメール展の感想でした!

 

 

同時開催の美術展感想の記事はこちら。

www.maru-shikaku.net

 

こちらはフェルメール展の予習編。

この記事では触れなかったフェルメール独特の空間について書いています。 

www.maru-shikaku.net