こんにちは、まるしかです。
長時間露光でビル群など建築物撮影の写真を撮ってみたいと思いまして。
アキラ・タカウエさんの作品がすごいなーと思って真似したかったんですよね。あれ、昼間の明るい時間にNDフィルターで減光しまくって撮影したらしいです。
カメラマンのデッドタイムである眩しい時間帯でも風景が撮影できるなんて画期的。それに普通の長時間露光(30秒くらい)じゃないです。1~5分、それ以上の超長時間露光です!
Kindle Unlimitedの読み放題入りとなったデジタルカメラマガジン2020年2月号に、アキラ・タカウエさんのLightroomプリセットがあり、それでいっちょやったろう!と決意したのがきっかけです。
道具は過去に導入済み。この時は自然風景を撮りましたね。
被写体は前々から撮影したかった高速道路のジャンクションにしました!
目次は装備から入りますが、興味のない方はすっ飛ばして写真をご覧ください😌
超長時間露光の装備(NDフィルター2種、三脚、レリーズ)
NDフィルターの組み合わせと角形フィルターのメリット
白昼となると、フルサイズカメラ用レンズのスイートスポットであるF8~11のような絞り値でも、1/500秒前後の高速シャッタースピードになっちゃいます。
それを数分まで落とすとなると、並大抵のNDフィルターでは減光しきれません。ND1000でも足りません。
そこでNDフィルターの組み合わせです。所有するND1000は10段の減光、ND64は6段の減光で、組み合わせると、10+6=16段(ND64000)の減光になります。
フィルター類は以前よりKaniというメーカーの角形フィルターを愛用しています。
風景撮影で多用する超広角レンズの前玉は出っ張っており、円形フィルターは装着できないからです。
角形フィルターのメリットはそれだけじゃありません!
脱着が円形のものより容易なんです。
超長時間露光は、
一旦フィルター無しの状態でシャッタースピードを計測し、フィルター有りだと何秒で同じ露出で写るか確認→レリーズで撮影
という2stepの操作が基本です。当てずっぽうだと時間がもったいないからです。
そのため、フィルターの脱着しやすさは重要です。
Kaniのフィルターホルダーは拡張して3スロットまで使用可能。
ホルダーについているネジを緩めて手前に引き出すと、このように外れます。
別に前玉が出っ張ってない小径のレンズでも、小さめのサイズの角形フィルターはあります。
円形フィルターはネジ式でしっかり取り付けられるのはいいのですが、外すときに回すのが結構手間ですから。
実際に使っている装備一式をご紹介
フィルター以外には、
- 三脚
- 雲台
- レリーズ
- スライドプレート
- サンドバッグ
を使っています。一つ一つ解説します。
三脚・・・必須アイテム。重たいカメラになる程大きな三脚が必要です。
フルサイズミラーレス一眼の重量だと、スリックのライトカーボンE74がちょうど良くて、愛用しています。
雲台・・・なくてもいけますが、構図の追い込みに微調整する雲台が欲しいですね。
三脚に付属しているタイプでもいいですが、Amazonで安かった3WAY雲台が思いの外良くて最近使ってます。
レリーズ・・・基本バルブ撮影となる超長時間露光では、露光時間をカウントしてくれるレリーズが必須です。
お金があれば純正でもいいですが、ロワジャパンの安い互換品でも、シャッターロック機能があり十分に働いてくれます。
スライドプレート・・・本来パノラマ撮影に使用するスライドプレートですが、角形フィルターを取り付けたとき、前のめりになって倒れてしまうのを防ぐ目的で取り付けています。
それとレリーズケーブルが刺しやすくなり、この点もGOOD。
普段の三脚撮影にも全然使えます。結構おすすめ!
サンドバッグ・・・風が強い日に重しを入れて三脚を安定させる目的もありますが、数分待つ超長時間露光では、レリーズリモコンを地べたに置いておくのもカッコ悪く、レリーズ置きとして使えます。
以上、超長時間露光の装備でした。結構、星を撮るための装備と被っているところがあります。
こちらもご参考までに。
作例
有明ジャンクションの超長時間露光撮影
iso100, 24mm, F11, 1/125秒
数あるジャンクションの中でも、お台場にある有明ジャンクションを撮影しに行きました!
まずは普通に撮影してシャッタースピードを確認。午後3時を超えてしまい、思いの外速さがない・・・
ND1000とND64フィルターを装着し、露光。
シャッタースピードの計算はケンコー・トキナーさんのページにある表を参考にしました。
NDフィルターでプロ並み写真が撮れる - 選び方・使い方ガイド | ケンコー・トキナー
ただちょっと使いずらいので、後で独自で表にしてみたいと思います。
iso100, 24mm, F11, 182秒(ND1000 + ND64 使用)
3分の露光です。雲の形が線になるのが超長時間露光の醍醐味です!
しかし、やはり暗くなってしまいました。写真の雰囲気は悪くないのですが、ディティールが失われています。
iso100, 24mm, F6.3, 1/400秒
絞り値をF6.3まで落としたら、1/400秒という数字となりました。
iso100, 24mm, F6.3, 121秒(ND1000 + ND64 使用)
露出はほぼ狙い通り!雲の形はさっきの方が良かったかな・・・難しいところですね。
場所を変えます。
iso100, 15mm, F6.3, 1/250秒
iso100, 24mm, F6.3, 242秒(ND1000 + ND64 使用)
4分の露光。いい雲の形です。
長時間露光の注意点ですが、上の写真の左上に光が写ってます。漏れた光が入ったのでは。
調べたら、フィルター間の隙間からも光が入ってしまうとのこと。
タオルでその辺りを覆うべきでした。
(一眼レフの場合、ファインダーからの光も写真に影響しますので、そこもタオルで覆うか、アイピースカバーを装着してください)
さらに、
長時間の露光ではカメラ本体が熱を帯び、カラーノイズが入ってしまいます。
モノクロでは白い斑点が確認されました。できれば、カメラ側で長秒ノイズ低減をONにしてあげる方がいいです。
できればと言ったのは、長秒ノイズ低減は倍の露光時間がかかるためです。
(ノイズはランダムに現れるのを利用したノイズ除去方法。2枚の写真を撮影、付き合わせてランダムの部分を特定し消去するという仕組み)
2分なら4分、4分なら8分かかってしまいます。流石に8分は待てない・・・photoshopのスポット修正でノイズを消す方法がありますので。
注意点の最後。絞り値が大きくなるので、イメージセンサーはブロワーかPENTAXのぺったん棒で綺麗にしておくと写るゴミが減ります(慎重な方はメーカーのクリーニングサービスにて)。
さて、ここでデジタルカメラマガジンのLightroomプリセット、HIGH-RES ARCHTECTUREを試してみます!
マットな仕上がりですね😊
Lightroomの基本パラメータも結構いじられているのですが、一番は白黒ミックスの色輝度補正。ここがモノクロ写真のキモだと思います(そのまま載せるのはアレなので、プリセット適応後もう少しいじったのが上の数値です)。
わたしは空を黒くしたいので、ブルーのパラメータをがっつり落としてます。
ここで作例を3つ、自家現像とプリセット適用とで比較してみます。
- 自家現像
iso100, 15mm, F6.3, 1/800秒(長時間露光をし忘れた・・・)
- プリセット適用
- 自家現像
iso100, 15mm, F6.3, 242秒(ND1000 + ND64 使用)
- プリセット適用
- 自家現像
iso100, 20mm, F13, 30秒(ND1000 使用)
- プリセット適用
最後は自家現像が勝ったのでは?
撮影するにつれてだんだん日が落ち、シャッタースピードが変化するようになってしまいました。
露出が安定する時間帯だから、昼間に撮影するんですね。よくわかりました。
晴海埠頭でのリフレクションを超長時間露光
箱崎ジャンクションや西新宿ジャンクションなど有名なスポットは他にもあるのですが、有明ジャンクションにした理由が晴海埠頭も撮りたかったからです。
ブログ仲間のちゅうさんの記事を拝見したのがきっかけ。
マジックアワーのリフレクションがいい・・・😊
iso100, 30mm, F9, 4秒
ただこの日はめっちゃ曇っててこんな感じでした。
ゆりかもめの市場前駅から歩いてたら、予想以上に時間がかかり日没に間に合わないハプニングもあり・・・調べ不足でしたね。
(このモニュメントが海の上に浮かんでるものとばかり思ってましたし。後で単独で記事にします)
でも負けない。
iso100, 30mm, F9, 307秒(ND1000 + ND64 使用)
長時間露光は雲があった方が映えます!
iso100, 25mm, F9, 20秒
夜ならフィルター無しでも20秒稼げます。このくらいのスピードで表現される雲も悪くない。リフレクションマジックもありますけどね。
おまけ:江ノ島の超長時間露光
iso100, 24mm, F11, 1/400秒
iso100, 24mm, F11, 121秒
この日は逆に快晴で雲の流れが全くなく、空の表情があまり変わらない結果になりました😓
海は面白い表現になりました。
自家現像をリセットし、プリセットを適用してみます。
左側の海の部分が目立たず。構図がまずかったですね。
最後に
以上、超長時間露光をやってみたでした!
空の表情で写りの良し悪しが全然違って、奥が深いですね・・・。
今回は選ばなかったのですが、被写体がビル群だと、面に太陽光が反射してまた違った雰囲気の写真が撮れると思います。
また機会がありましたら再挑戦したいですね☺️それでは!