こんにちは、まるしかです。
星景撮影でF2.8通しの広角ズームレンズを使っていたわたしは、F値が小さい超広角レンズに憧れていたのですが、SIGMAの20artや14artは1kg前後でめちゃ重たい・・・
そんな中、F1.8の20mm、しかも約373gの軽さで純正Gレンズ FE 20mm F1.8G(SEL20F18G)の登場。
これはと思い、初めてレンズを予約してゲットしました。
いつもの通りレビューと作例の紹介です。
外観
買ってすぐ撮影。この小ささでF1.8の20mmはヤバイ。
よっぽどFE 24mm F1.4GMが成功したのでしょうね。ミラーレス専用設計は広角域ほど軽量化のメリットがでかいらしいですから。
フォーカスロックボタン、AF/MF切り替えスイッチ完備です。
実はフォーカスロックボタンもカスタムボタンで機能を割り当てられるって知ってました?
公式HPを見ると思いがけない発見があります。
絞りリングのデクリックスイッチ搭載。
ONにすると、絞りリングがクリックなしで動かせます。
これ、動画撮影時のボケ量コントロールでクリック音を残したくない時に使用します。
これを機に子どもの動画撮影も頑張ろうかな🤔
【追記】わたしは画質・動きの滑らかさ・容量のバランス的に、4K 30P 60Mで動画を撮っています。その設定だと、わたしの使っているα7Ⅲでは1.2倍にクロップされる仕様です(α7RⅢだと1.5倍クロップ)。
20mmだと、24mm(α7RⅢだと30mm)になる計算。
室内で間近で撮る子供動画の画角としてはちょうどいいです!
このレンズの長所の一つは、67mm径のフィルターが付けられることでしょう!
普段はスナップとか息子の撮影とかだと、結構被写体に寄るので、念のために保護フィルターをつけています。
↑価格と性能のバランスが取れてる気がする。いまいちよくわかりませんが。
わたしはすでに出目金レンズ用に角形フィルターを集めていますが、普通の円形フィルターで済むなら、圧倒的に軽量でコストを抑えられます。
星景撮影でおなじみ、ケンコーのプロソフトンAなどのソフトフィルターや、
スターリーナイトなどの光害カットフィルター
が装着できます。この2枚を同時に、と待ち望んでいたソニーαユーザーは多いのでは?(一応Firin 20mm F2や、Tamron 20mm F2.8というレンズはあるけれども)
わたし、スターリーナイトは持ってないので(角形フィルターで同じ効果のものを持ってますから)すが、保護フィルターとソフトフィルターを2枚重ね付けしてみたところ、ケラレは発生しませんでした。
【追記】 ソフト効果がやや弱めのプロソフトンクリアを20Gにつけてレビューしました。
作例
まずは定番の風景。意外と広すぎない
緊急事態宣言前の桜がいい時期に作例を撮っておきました。
こちらは早朝5:30の写真。
あたりはほのかに明るくなってきたばかりだけど、絞り開放だと、iso100で1/400秒のシャッタースピードです。
実はこっちの写真の方が時間が経ってます。1/6400秒。
見ればわかりますが、F1.8での周辺減光はそこそこあり。
早くLightroomのレンズプロファイルにこのレンズが追加されないかなーと待ってます。
【追記】Lightroom最新版でプロファイルが追加されていました。
別な場所で。PLフィルター付けたらもっと鮮やかになりそうですね!
20mmという焦点距離は、広いけど扱いやすい!ちょうどいいところだと思います。
雲を入れるとダイナミック感が出るのが広角レンズのいいところ。
リフレクションを普通に撮っても絵になります。
広角スナップ
これだけ近寄っても歪みが少ないのがわかるでしょうか=人物もいい!
子どもと遊ぶときはほぼ距離ゼロですし、小さい子持ちに20mmはベストかも。
構図は子供目線で低い位置から撮れば、大体迫力ある写真が撮れます😊
【追記】最近、家族写真は少し引き目に20Gで撮って、適当なサイズにクロップしてしまいます。非常に楽。
解像度がかなり優れているレンズですので、クロップしても画質劣化が目立ちません。
それとさすが、純正レンズはAFがすごい。
XDリニアモーターという新機構が搭載されてます。レンズの動きの速さや振動を抑える目的とのこと。
α7ⅢのAF-Cと組み合わせれば、適当でも瞳AFが働くし、シャッターチャンスさえ決まればそれでOKという領域ですね。恐ろしい。
等倍に拡大。F8に絞って撮ったのですが、これくらいが解像度のピークのようです。
指の産毛までバッチリ(?)撮れちゃってました。
軽いから自撮りもいい。公式HPではメリーゴーランドに乗りながら自撮りしているお姉さんが笑いかけていました。シュール。
最短0.19m(MF時0.18m)の近接撮影とボケ味。広角マクロのブームが到来してますね!花の撮影が楽しい!
年明け、面白そうだと思って、タムロンの20mm F2.8を買おうとしてたんですよ。
あれ、最短11cmまで寄れますし。最短撮影距離って被写体からイメージセンサーまでの距離ですからね。レンズ長6.4cmだからレンズから約4cm!
FE 20mm F1.8Gの場合はさすがにそこまでじゃないですが、最短0.19m(MF時0.18m)。
それを体感すべくテストしました。
絞り開放で寄りました!
ごちゃごちゃしてる背景を選びました。ボケとしてはかなり厳しい状況ですが、どうでしょうか。ボケ味はいいと思います。
それと、めしべのあたり、
等倍でここまで解像してます。
元写真/等倍トリミングです。これはF10まで絞りましたのでかなり鮮明です。
PCだと多少解像の甘さを感じますが、スマホだとわからないですね。
20Gで適当に撮って、あとでトリミングするという技もありです。
F8でも近いと後ろはボケます。
ちっとまだ遠いですね。
野外では時間がなくて最短まで寄りきれず。お家でテストへ。
MFで最短の距離です。全長13cmのブロワーを目一杯写すことができます。
測ったらレンズ前面から被写体まで約5cmでした。
F1.8だとかなりピントが薄いですね。
AFだと1cm遠くなります。それだけでも結構印象が変わるものですね!
逆光耐性は?
せっかく牧場に来て、しかも日が傾いて来たので、逆光テスト。
だいぶいじめてやりました。
↑柵は元から歪んでます。念のため。
何がすごいって、まーこんだけゴーストが出るのはしょうがないとして、フレアによるコントラスト低下がほぼ起きていない事!
JPEGでレタッチはシャドウを持ち上げただけで、他はいじってません。
あとこれなんか光芒、いいですよね。上の3枚はF8です。
α7IIIのAPS-Cモード(焦点距離30mm相当、1000万画素)での作例
デジタルカメラマガジン2020年2月号付録Lightroomプリセット「ドライブリーチバイパス」使用
ちょっとトリミングしてますが、30mmという画角はやはり使いやすいです。
この2枚はノーレタッチ。
F8まで絞ってあげればここまで写ります!
星景の作例
天の川のサイズ感は?
まず知って欲しいのは20mmで撮った天の川のサイズ感。
もう少し景色を入れるなら、天の川の一番明るい場所(×印に見えるところらへん)が画面に収まるでしょうか。
絞り開放で30秒露光しました。30秒だと当然そのままでは星が流れるので赤道儀を使用。
軽量レンズなので、ポラリエとの相性良しです。
F1.8だと高感度を下げられるから、レタッチ耐性がついていいですね!!地上のノイズ減にもつながります。
ちなみにこの写真はiso1000で撮ってます。
縦構図だと、バッチリ収まります。
パノラマで天の川アーチを撮影するレンズとしても優秀ですね!
しかし意外と天の川撮影の情報ってないですね。今度見つけ方とかレタッチとかまとめます💨
【追記】書きました。
絞り開放でのコマ収差
近所でお試し撮影をしてみました。
プロソフトンAを使用。
この時期の南天はオリオン座は早い時間に沈みますから慌てて撮影しました。さすがに近所では光害をカットしても抑えきれず、強引なレタッチ。冬の天の川は無理ですね。
ちと構図が悪く、一部の星が隠れちゃってますが、一応冬のダイヤモンドは全て写ることがわかりますでしょうか。
この写真の右上の隅付近を等倍にしてみます。
F1.8の絞り開放ですよ。隅でも星の流れは抑えられてます。
また、星がパックマンの敵みたいな形になったり、金平糖になったりする程度のコマ収差です。
厳密なピント合わせではないのですが、かなり優秀じゃないでしょうか!
さっきの写真だと、アルタイルが伸びちゃってますね。
F2.8以下で、隅にある1等星は、ソフトフィルターを装着した状態だと伸びやすいかもです。
ただしFE24mm F1.4GMで問題となった開放でのパープルフリンジもこのレンズでは確認されず。
星撮り、特に軽いのを生かして遠征先での星景撮影に最適です!
似たようなレンズ比較
レンズレビューで恒例となりました、他の似たようなレンズと比較しますコーナー!
Firin 20mm F2 FE MF/AF
↑こちらはMF版
3年前に非常に似たようなスペックのレンズがMF版とAF版の2種類、ケンコー・トキナー社から出ています。
20mmという数値より実際の画角は若干狭いらしいのがものすごく気になります。
AF版はギーコギーコレンズ
FE 20mm F1.8Gより約100g重たい。
よって、少しでも安くしたいのと、20mmは星しか撮らないよという方ならこっちかと。
星景撮影用途では優秀のようです。フィルターもつけられますしね。
SIGMA 20mm F1.4 DG HSM
冒頭でもちらっと話に出しました、シグマの20mm。
今となっては1kg弱の重さでも、どうしてもF1.4が欲しい限られた人向けのレンズになってしまいます。
それもそのはず、このレンズはキヤノンやニコンの一眼レフ用のレンズをただ長くしただけの手抜き設計なので。
14-24mm F2.8 DG DNのようにミラーレス専用設計になったら魅力的になるはず。
でもF1.4はすごいですね。もしFE 20mm F1.8 GがF1.4だったとしたら、重さが600gくらいで値段が倍になって、GMレンズになるんでしょうね。それは売れないとソニーは判断したのでしょう。
Curl Zeiss Loxia 2.8/21
言わずと知れたカール・ツァイスの銘玉。半端ない解像度とツァイスらしい色のり。
一番の特徴は光芒の綺麗さ!
おそらく、地球上にあるレンズで一番綺麗なんじゃないかな。
それだけのために20万弱出す価値はあります。
このレンズの軽さはFE 20mm F1.8 Gと同じぐらいですが、MFレンズです。
ということで、逆光でのストリートスナップや風景をMFでじっくり行う人にはこちらですね。
Tamron 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2
とにかく安い。そしてソニーより寄れる。
花を撮る人にはぴったりですね。スナップもいいと思います。初めて超広角レンズを買うならこっちがいいかもしれません。
わたしが見送ったのは、F2.8という暗さです。
すでに持ってるズームレンズはF2.8通しだったのでかぶっちゃいますね。
あと、AFがうるさくて遅いらしいですね。値段を考えれば仕方ないかな。
番外:初めての超広角はそもそも20mmでいいのか?ということ
初めて超広角レンズを買うのであれば、上のタムロンの20mmもいいと思いますが、ズームレンズもお勧めです。
F1.8で花のドアップやこどもを撮りたいんだという方は全然FE20mmでいいと思いますが。
20mm前後の焦点距離は、1mm違うだけでだいぶ印象が変わりますからね。
純正レンズなら、できればFE 16-35mm F2.8 GMですが、ちと高いので予算が厳しければF4通しの方でもいいと思います。
他社ならさっき挙がった、シグマの14-24mm F2.8 DG DN、そしてタムロンの17-28mm F2.8がお勧めです。
風景ならシグマ、スナップもならタムロンですね。
ちなみにわたしは、タムロンの別のレンズで15-30mmを使っています。
超広角は星を撮るだけだよという人もいると思います。
わたしも最初はその目的でした。なら、AFはいりません。
鉄板はSamyang 14mm F2.8。
20mmなら、さっきのFirin 20mmが安くていいと思います。
あとはさっきの他社F2.8通しズームレンズも全然いけます。
最後に
ソニー純正の20mmは待望の一本ですね!
軽くて写りが良くて星撮りに良くてAFも良くて・・・大抵星撮りに向いているレンズって、日常の撮影には使いづらいレンズが多いです。
とりあえず明るい星撮り用レンズと思って飛びついたわたしにとって、これは嬉しい誤算でした。いいレンズを買いましたよ!
24mmに続いて、ようやくミラーレスらしい軽くて優秀なレンズが出始めたなと感じてます。
これから18,16, 14mmあたりの焦点距離も、軽量高画質レンズで補填されるのでしょうか。楽しみですね!
それでは!